「君のハートはマリンブルー」杉山清貴&オメガトライブ 永遠に夏の蜃気楼かもしれない1984年のヒット曲


君のハートはマリンブルー

杉山清貴&オメガトライブ

Single 1984

on album RIVER'S ISLAND




タイトルに魅かれて手に取った音楽。
どこか息苦しさと切なさが漂っているアレンジでした。

もっと無防備にトロピカルな恋を楽しんでいるような世界を思い描きながら聴き始めてしまったので、胸に迫るものがありました。

フィクションでも、リアルに痛い。

海岸線を走るバスを思い浮かべながら、なぜか子どもの頃の記憶がよみがえります。

歌詞の世界は胸に刺さりつつも、音色と旋律は幻影的なノスタルジーの風景を見せてくれました。

恋愛未満の幼馴染との関係や、なりゆきまかせで会話を楽しんでいるうちにノリであんなことやそんなことになってしまう、そんな映画を観ているようです。

気持ちよりも体の求めるがまま、体が素直に感じるままの生命の躍動が、ひっそりと息をひそめている感じがします。





自分の実体験というより、見たことあるのかないのか不明のままイメージの世界が映像化されていくようです。曲の終わりに脳内映像も終わります。

ドアの向こう、壁の向こう。世界は窓から見えるだけ
密室ではないけれど、そこにいるのは二人だけ。

まるでドライブインシアターで短編映画を観ているようでした。
まだ免許どころかドライブの経験すら、ほとんどない時期です。
うわさでは知っていました。
遠くから眺めたことはあります。






黄昏の美しい空と、駐車場の端にあるスクリーン。
自分が知っているのは学校の視聴覚教室のスクリーンですが。

いろいろな記憶とイメージが混ざり合って、別世界を見せてくれます。
大人の世界に憧れていたからこそ見ることができたのかもしれません。



歌詞の内容と関係なく、心地良く聴いてしまう自分もいるのです。
音楽として、音の波動に体を預けて、マリンブルーを感じながら過ごす5分間。

冬に聴いたので、透明な空気感と肌寒さが付きまとっています。


君のハートはマリンブルー

杉山清貴&オメガトライブ

Single 1984

on album RIVER'S ISLAND

written by 水瀬次郎




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