トロピカルざんまい



好きな音楽を聴いていると、
時間が止まったような錯覚になります。

あの夏から、なにも変わっていない。
そんな気分になって、とても気持ちいい。


こんなふうに年齢を重ねられるとは、
予想していませんでした。




でも、

「こんなふうになりたい」

と願っていました。




好きな曲を聴くとき、イントロだけで、もう別世界。

ここにいるのに。

さっきまでと同じ場所、同じ状況。

なのに。

音楽が聞こえた瞬間に、もう別世界。



どちらかというと、

夏と海と波をイメージできる音楽が好きです。


そうではない音楽も、いろいろと繰り返し聴いています。



あれも良いし、それも良いね、これも良いよ。


そんなふうに好きな音楽が増え、
いまもなお増え続けています。


夏の思い出ばかり、色あざやかに覚えています。
それも音楽の、おかげ。

ほんとうは春、梅雨、秋、真冬もあります。



冬の透明な空気は、真夏のような青さに感じられます。



四季それぞれの良さと辛さを味わいました。

好きな音楽を聴くたびに、

『まるで夏のようだった』と、

トロピカルな印象に代わっていったのかもしれません。



よく一緒に行動していた仲間たちと、
いつも同じ音楽を聴いていたわけではありません。

互いに、
『それはちょっと』
という趣味の違いもありました。

そういうことも含めて、いま全部が、心地良く聴ける環境になったのかもしれません。



written by 水瀬次郎



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